31歳女性
中学生の頃から時々、耳下と頚部に激しい疼痛があり、口を開くこともあごを上に上げることもできなくなっていました。
今回は2週間前から始まり、頚部に小豆大の塊があり触れるとさらに痛みが強くなる。
クーラの冷たい風に当たると悪化するように感じ、入浴中は軽減する。
症状がでると、食欲が減少し、むかむか悪心がすることもある、足の冷えと顔色はいつもより青白くなる。
《漢方処方》
安中散合五積散
《解説》
安中散:桂枝・延胡索・牡蛎・茴香・甘草・縮砂・良姜
実寒証を改善する漢方薬で、一般的には冷えによる胃痛、腹痛、生理痛に良く服用されています。
今回は症状がでると食欲が低下し悪心もあることから、
胃腸の(寒邪)実寒証と同時に、
冷え(寒邪)が長期に耳下から頚部に停滞と考えられ、
また長期間の寒邪の留滞は、気血の停滞となりそれにより滞った部位が塊のなったと鑑別した。
*女性は服用開始から痛みは軽減され、そのまま安中散を2週間ほど服用して頂きました。
小豆大の塊も小さくなり触れても痛みはなくなりました。
その後、寒邪の停滞を予防しさらなる病状の軽減と原因体質の調理のために漢方薬を変方。
《漢方処方》
玄武理中湯合安中散
《解説》
寒邪(実)が侵入し留滞するのは虚があるから。
自分の体の陽気を高め、虚を補う漢方薬を主としました。
*その後痛みと塊もなくなり、
現在ご自分の病状の原因体質の悪化を防ぐために漢方薬を状況環境に応じて服用を続けております。